【未来につながる探究学習】八王子市私学プレゼンテーションコンクール#1 | 晶文社 中学受験案内

【未来につながる探究学習】八王子市私学プレゼンテーションコンクール#1

特集

「アクティブ・ラーニング」「探究学習」「プロジェクト・ベースド・ラーニング(課題解決型学習)」などの言葉を耳にしたことのある方も多いと思います。教育現場では、学力の三要素として「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」の3つが重視され、従来の一斉授業だけではない、新しい学び方がどんどん行われるようになっています。

 人と協働しながら主体的に取り組むことで深く学んで知識・技能を身につけ、それらで何ができるか、どう使うかまで考え、実行していくようなスキルとマインドを持った人を育てる。このような教育の在り方を踏まえ、様々な教育手法が取られています。なかでも、調べ学習をしてレポートをまとめたり、身近な課題を見つけ、その背景を調べて解決策を考え発表したり、というような探究学習は増えています。

八王子市私学プレゼンテーションコンクールとは

 八王子市の各私立中学校でも、探究学習は熱心に取り組まれており、去る11月5日㈯に、八王子学園都市センターイベントホールにて、第2回八王子市私学プレゼンテーションコンクールが開催されました。

 このコンクールは昨年、市内の私立中学校広報担当の先生を中心に企画され、八王子学園八王子中学校より、オンラインにて実施。今年はホールを借り、保護者・関係者のみ観覧という形で行うことができました。八王子市には私立中学校が9校ありますが、今年はその全校が参加(昨年は行事の都合で8校の参加)。各校の中学1年生の中から選ばれた代表者が、自由テーマ、或いは「八王子に関する事」というテーマでの探究学習を、各6分間でプレゼンテーションしました。審査も行われ、発表者一人ひとりに講評の言葉が向けられました。

収容人員200名を超えるホールで、6分間のプレゼンテーション

 発表者とそれぞれのタイトルは以下の通りです。

敬称略、発表順

学校名 発表者名 タイトル 審査結果
八王子実践中学校 久保夏海 今がんばっている「グラススキー」について 奨励賞
東京純心女子中学校 中村柚葉 八王子パッションフルーツを広めよう 優秀賞
帝京大学中学校 小島蒼也 計算機の仕組みについて 奨励賞
明治大学付属中野八王子中学校 新井優斗 八王子で今なお継承され続けている伝統芸能 八王子車人形 優秀賞
八王子学園八王子中学校 羽生田結愛 高尾山の交通 優秀賞
穎明館中学校 吉澤馨 めじろ台ってこのまま住んでて大丈夫?-住み続けられる街づくり- 奨励賞
共立女子第二中学校 森田美桜 八王子車人形の未来へ 優秀賞
工学院大学附属中学校 下田健斗 甲州街道周辺と八王子駅周辺の鉄道の歴史 奨励賞
帝京八王子中学校 秋山遼 八王子の新しいスイーツ 奨励賞

[審査委員]
徳増孝一氏(大妻多摩中学高等学校・元校長)
内藤良夫氏(共立女子第二中学高等学校・元教頭)

ハイレベルな発表

 まず、このコンクールに、八王子市内の全私立中学校が参加していることに注目です。どの学校でも、プレゼンテーションできるだけの取り組みがあるということですから。「総合的な学習の時間」で取り組んだ学校が多いようですが、どの発表者も、自分で選んだテーマについて調査を進めて現状を掴み、課題を見つけ、自分なりの考察をまとめていました。

 PowerPointを使ってまとめた資料は、裏付けとなるデータを提示したり、かなり専門的な知識に及んだり、動画や写真、図解を交えてわかりやすく具体的に説明したり、出典や参考資料をきちんと記載していたりと、とても質の高い内容でした。プレゼンテーションの方法をスキルとして、各校で教えていることの表れです。

農林水産省のデータを取り上げ、「引用元」として明記(東京純心女子中学校 中村柚葉さん)
計算機がどのように計算するのか、回路図と共に専門用語を交えて解説(帝京大学中学校 小島蒼也さん)
写真を示すことで、高尾山に生息する生物の姿が一目瞭然(八王子学園八王子中学校 羽生田結愛さん)

 そして、発表した皆さんがまだ中学1年生ということにも驚かされました。人前で発表するために資料をまとめたり、どう話したら伝わるかを練習したりという経験は、これまであまりなかったと思われます。ほとんどの発表者がプレゼン後に「緊張しました」と口にしていましたが、動揺したり言葉に詰まって沈黙したりという人はおらず、皆さん、最後まで落ち着いた様子でした。中学に入学して約半年足らずで多くのことを吸収し、努力し、緊張を乗り越えて堂々と発表した姿に、学習面と精神面、双方に大きな成長を感じました。

身振り手振りを交え、落ち着いた様子で発表

 発表者の皆さんは、学外で他校の生徒のプレゼンを見たわけですが、そこにも大きな意義があったはずです。非日常の空間で発表する緊張感は良い経験になったでしょうし、他校の生徒の発表の仕方やテーマの着眼点、資料の体裁などの違いに気がついたかもしれません。

 子どもの可能性は無限大です。この探究活動をきっかけに、自分が選んだテーマに深く興味を持ち、今後も更なる活動をしていきたいと話す生徒もいました。ここから更に高校3年生までを各校で過ごし、どれほどの成長を遂げ、自分の進路を見出して舵を切っていくのか、楽しみです。

第3回コンクールも開催予定

 このコンクールは来年も11月に開催予定で、会場予約にも動きだしています。観客を前にしたプレゼンテーションは、生徒の皆さんの成長にもつながるはず。来年は多くの人が集えるコンクールとなることを願います。もしかしたら、将来的にはもっと大きな会場で行われるかも⁈

 各校のレポートも順次公開しますので、続きをご覧ください。

●当日の映像が八王子市私学プレコン実行委員会のWebサイトで配信されています。
https://haishin.work/hachioji-shigaku

●タウンニュース八王子版11月10日号でも紹介されています。
以下はWeb版。
https://www.townnews.co.jp/0305/2022/11/10/650297.html
https://www.townnews.co.jp/0305/2022/11/10/650305.html
紙面の設置場所は以下をご参照ください。
https://www.townnews.co.jp/0305/arrangement.html

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