【新しい自分に出会う】東京純心女子中学校FYM特別企画「ラランド・サーヤさん講演会」レポート | 晶文社 中学受験案内

【新しい自分に出会う】東京純心女子中学校FYM特別企画「ラランド・サーヤさん講演会」レポート

特集

 東京純心女子中学・高等学校(東京都八王子市)では,2024年7月11~13日の3日間,「今を輝く女性たち~新しい自分に出会うチャンス」と題した特別講演会が実施されました。日替わりで中高生のロールモデルとなる3名から話を聞くという特別企画です。

 その最終日の模様をリポートします。

コンビ漫才のスタートは,この講堂から

 講演会最終日の講師は,人気漫才コンビ・ラランドのサーヤさん。東京純心女子中学・高等学校(以下,純心)の卒業生です(2014年3月卒)。

 会場となった江角記念講堂の壇上にサーヤさんが登場すると,集まった生徒の皆さんから,一斉に歓声が上がりました。生徒が待ちに待った瞬間です。

 講演会の前半は,サーヤさんのプロフィールに沿って,司会の廣瀬侑先生がインタビューする形で進められました。

「卒業後に東京純心女子に戻ってきていかがですか?」との問いかけに,周囲を見回していたサーヤさん。生徒の制服に目を留め「制服,変わってる?」。親しげに話しかけたこの一言で,同じ学校で学んだ人として,一気にサーヤさんと生徒たちの距離が縮まったようでした。(ちなみに,制服はBEAMSプロデュースで2013年にリニューアルされ,数種類あるバリエーションを自由に組み合わせて着ることができます。2025年度より中学にもスラックスが導入される予定です。)

 中2で,隣の席の子とコンビを組んだところから,サーヤさんの純心での「芸歴」がスタート。コンビ名は「アポロン」。講演会後にサーヤさんにインタビューしましたが,「中2でここの舞台に立ったとき,“うける”こと,みんなが笑っている声を,その会場の一番よい場所で聞けたというのが,衝撃的ともいえる体験」だったとのこと。それが,お笑いを志す大きな力となったそうです。

写真/東京純心女子中学校

 文化祭では,アポロンのネタが大いにうけたといいます。他の生徒が歌やダンスを披露するなか,漫才で文化祭を盛り上げてきたそうです。お話からは,その漫才を学園全体でとても楽しみにしていた様子が伝わってきました。生徒も先生もシスターも,毎年皆がノリノリで楽しんでくれた,といいますから,当時から人を笑わせる才能を発揮していたのですね。おおらかで伸び伸びとした校風の純心はサーヤさんの才能をあたたかく受け入れ,「本当に好きなことを,自由にやりたいようにさせてもらいました」。

純心の英語教育はすごい!

「在学中は成績優秀だったそうですね」との廣瀬先生の問いに,「そうなんですよ。勉強は,できたんですよね~」といたずらっぽく笑って,とくに「純心の英語教育は,すごくないですか? あれでかなり鍛えられたと思います」。授業以外でも,ネイティヴの先生から,フレーズだけでなく,伝わりやすいジェスチャーまで指導を仰いでいたとか。英語を言葉の知識としてだけ学ぶのではなく,文化,身体表現も含めて丸ごと身につけようという姿勢は,とても大切かもしれません。

写真/東京純心女子中学校

 純心の英語教育によって,語学に堪能な現在のサーヤさんがつくられた,とのことですから,在校生にとっても「純心の英語を頑張ればよい」と学ぶ励みになったでしょう。

子どものときからずっと,やりたいと思うことをしているだけ

 東京純心女子高校卒業後は上智大学外国語学部イスパニア語学科へと進学。大学のお笑いサークルに所属します。サークルの先輩から「ビジュアルとしておもしろい,体の大きな人がほしい」といわれて同級生だったニシダさんを誘ったそうですが,当時はコンビを組むつもりではなかったとか。しかし,ニシダさんに熱望されてラランドを結成し,その後M-1グランプリで2019・2020年と2年連続準決勝進出を果たします。

 大学卒業後はPR会社に就職し,会社員とお笑い芸人の「2足のわらじ」で活動。とても忙しく大変な毎日だったようですが,芸人という「舞台の表」を,PR会社という「舞台の裏」から支える体験が,現在の活動に大いに役に立っているといいます。

 2021年にラランド個人事務所を設立し,サーヤさんは社長に就任。

 現在は,芸人としてだけでなく,社長,俳優,YouTuber,さらに 2022年より川谷絵音氏らとバンド『礼賛〈らいさん〉』を組んでメジャーデビュー,「CLR〈クレア〉」名義にて作詞作曲&ヴォーカルをつとめるなど,多才ぶりを発揮して,超多忙な毎日です。

 芸人以外の活動について,「子役をしていたりして,お芝居は好きだったし,音楽も好きだったので,小さいときから変わらず,やりたいと思うことをしているだけ」。今後についての話を振られると,「まず,ニシダをインド映画に出させて,ラランド世界進出します」。

 ジャンルやカテゴリーに縛られることなく,自分の才能をいかんなく発揮して活動されているサーヤさん,国の枠組みも軽々と超えていきそうです。

中高時代で学んだことは将来の力になる

 廣瀬先生によりインタビューを終えたところで,在校生からの質問時間へ。最初は皆,遠慮気味でしたが,聞いてみたいことがたくさんあったようで,次々と質問の手が挙がります。「スピーチコンテストで優勝するには?」などの質問から,『礼賛』ファンの生徒から高校卒業したらライブに行きたい,との宣言も。

 また,サーヤさん在校時にいらした先生が今でも在職されているのは,転勤がない私学ならでは。サーヤさんと生徒さんがお互いに知っている先生の話で共感したり,会場に駆けつけた先生とサーヤさんが,壇上と客席で手を振り合ったりと,会場は大いに沸き立っていました。

写真/東京純心女子中学校

「人前に出るコツは?」との生徒からの質問に「どんどん人前に出て慣れること」とアドバイス。質問した彼女がコーラス部と知ると,「じゃあ,ソロパートをもらって,前に出て歌う,とかね」。サーヤさんは,そのように自らチャンスを広げ,実現させて,次のステップへと,進んできたことを伺わせる答えですね。

「学生時代にやっておくとよいことは?」という質問には,「しっかり,勉強すること」。学生時代に学んだことが,現在の活動を支えてくれているというサーヤさんの言葉には,説得力がありました。その質問には,女子校ならではのアドバイスも。「予備校や塾に行って,かっこいい男の人とかいるかもしれませんが,【恋に落ちると,大学に落ちる】。大学に入学したら出会いが待っているので,合格までは頑張って」とエール。

 講演会の最後には,相方ニシダさんも登壇し,生徒たちの歓声を浴びていました。生徒会長からお礼のことばが,生徒たちからは花束が贈られて講演会は終了。

写真/東京純心女子中学校

 純心の先輩として,生徒と同じ目線で語ってくれたこの講演会。芸能界で大活躍中のサーヤさんが,自分たちに向き合ってくれたという体験は,生徒たちが自らの生きる力を生み出す原動力となることでしょう。

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