AI時代を生きる子どもたちに必要な教育とは?
中学受験をめざす皆さんへ
現在の世の中には,ネット上で自由に使える教材,AIが教えてくれるデジタル教材が,とても豊富です。リモート学習なら,住んでいる場所にかかわらず,どこからでも学ぶことができます。それらは,コロナ禍によって急速に進歩しました。このコロナ禍の期間に「学校」の意義を問い直した方も多かったことでしょう。
今,中学受験をめざす皆さんが,学校教育に求めるものは何でしょうか?
AIの活用が当たり前となる未来の社会で生きるために,どんな教育が必要だと考えていますか?
AIにはない「創造力」
正しい知識を覚える,アウトプットする能力は,人間はとうていAIには及びません。また,手順を再現する作業も,AI搭載のロボットたちが担うようになるでしょう。
これからの社会でより必要とされるのは「創造力」といわれています。既存のものを組み合わせて生み出す発想なら,AIにもできるかもしれません。「この人のために何かしたい!」という想いから生まれる発想こそが,人間ならではの「創造力」です。
つながりで解決する
一方,グローバル化はさらに進んでいます。また,男女や障害のあるなしといった垣根も取り払われる方向へと,世界は進んでいます。これからの社会では,多様性を認めながら,世界共通の課題を解決していかなくてはなりません。
そこでは,誰か一人の強いリーダーによって統制される解決策では通用しません。主体性をもった個々が関わり合いながら,誰をも取りこぼすことなく,バランスをとる,という解決方法が求められます。共通認識の核をしっかりと保ちながら,つながり合い,形は様々に変化させる,流動的な解決です。
つながる力をどう育むか
ここで,学校に求められる教育とは何か,の答えの1つが見えてきます。
つながる力=コミュニケ−ション力を育むことです。
人が集まる学校だからこそ,できることです。さらに,学校によっては,大学や地域,企業,海外など,様々に連携する機会を用意しています。
つながる力を育む「土台」も多様です。
海外との理解を深めるグローバル教育
デジタル機器を使いこなすICT教育
AIとの連携をスムーズにするためのプログラミング教育
深い人間理解=哲学
どの「土台」に重点をおいた教育をするかに各校の特色が表れますが,それらは「偏差値」で表される学力では見えてこない特色です。
では,どうすれば各校の特色が見えてくるでしょうか?
そこで参照していただきたいのが“黄色い受験案内”です。
学校の特色を伝える3ポイント
各校の特色を伝えるため,“黄色い受験案内”では,以下の3つをポイントとしています。
●丁寧な学校紹介文
●特色で選ぶ「併願校の例」
●首都圏中学模試センターの「思考コード」
学校紹介文は,毎年丁寧に内容を確認し,更新しています。とくにその学校ならではの取り組みをご紹介するように心がけています。
また,巻頭カラーページでは,「私学のユニバーサル教育」を特集。本誌が考える「ユニバーサル教育」とは,性別・国境・人種・障害のあるなし・時代を超えて通ずる普遍的な価値観を育む教育です。変わらない「教育理念」をもち,変わりゆく社会にしなやかに対応する,各校の教育をご紹介しています。
併願校も,偏差値ではなく,「受けたい教育」「校風が似ている」などの学校の特色や教育内容から選べるようになっています。
「思考コード」に表れる学校の特色
首都圏中学模試センター開発の「思考コード」は,「思考力」「表現力」「創造力」を評価する基準です。
人間の思考力を「知識」「論理」「創造」の3つの領域に分け,思考の深さや複雑さ,抽象度のレベル(到達度)を3段階で表します。“黄色い受験案内”で掲載しているのは,各校の入試問題を「思考コード」で分析し,9つの領域のどこに重点をおいた出題をしているかを示したものです。
中学受験のスタンダードタイプは,このような傾向を示します。
いわゆる難関校では,論理力を重視した出題傾向が見て取れます。
公立中高一貫校などの適性検査型入試や,私立中学校での導入が進む新タイプ入試では,創造力に特化した出題も見られます。
「思考コード」で到達度を把握
「思考コード」は「優劣」を表すものではありません。
「知識」「論理」「創造力」は,人間の思考(頭の使い方)のタイプですから,どちらが優れている,いないということではなく,覚えることが得意な人がいれば,思いがけない発想をする人もいます。得意な分野が違うのです。だからこそ,お互いが協力し合い,補い合うことができます。また,個人でも,知識が広がることで,より発想力も強まるという関係性があります。
ステージが上がると,求められる到達度も変わります。固定化された評価ではありません。
どのレベルに達しているかを客観的に把握することで,より効果的な成長方法を模索することができます。「思考コード」は,成長するための指標のヒントを与えてくれるものでもあるのです。
※首都圏中学模試センターの模試を受験すると,「あなたの思考コード」がわかるようになっています。
相性のよい学校に出あってほしい
“黄色い受験案内”には,各校の「思考コード」が掲載されています。
各校を比較しながら見ていくと,その学校が受験生に求める力,入学後に伸ばしたい力が何かが見えてくるでしょう。
「素早く計算するとか漢字を覚えるのは得意じゃないけど,“発想が面白い”っていわれるよ」という皆さんの力を評価してくれる学校があることがわかるでしょう。
ぜひ,皆さんの得意なことが何かを考えながら,“黄色い受験案内”を開いて各校の特色に触れ,より皆さんの力を伸ばす学校に出あってほしいと思います。
中高6年間を過ごす学校です。広い視野で,より多くの学校の中から「これ」と思う学校を見つけてください。入学してから「あ,こんな学校もあったんだ!」と後悔しないためにも,首都圏の中学校約370校を掲載している晶文社『首都圏 中学受験案内』で,どんな学校があるかを知っておくことをおすすめします。首都圏の中学校全体を見渡せるのは,書籍1冊にまとまっているからこそ。インターネットだけでは,知らない学校を見つけるのは難しいものです。
また,スマホやPCでご利用いただける「受験生応援アプリ」付です。2023年度入試日程は2022年秋より公開予定。アプリ内で入試日程を選択して「Myカレンダー」に登録すると,オリジナルの入試日程カレンダーができます。出願期間,入試日,手続き日,延納制度のあるなしなど,一覧で管理できる便利な機能です。
晶文社『首都圏 中学受験案内』は,黄色い表紙がトレードマーク。受験生と学校の出あいをつくる「幸せの”黄色い受験案内”」は,首都圏各書店とインタネットショップよりご購入いただけます。