鷗友学園女子中学校の入試報告会が,教育関係者対象で公開となりましたので,そのレポートをお届けします。
◆鷗友学園女子とは
「女性である前にまず一人の人間であれ」と唱えた女子教育の先覚者・石川源三の教えに共感した東京府立第一高等女学校同窓会により,石川氏の教えを実現させるために設立された学校です。
女性たちの自主的な行動で設立された本校の伝統は,今日までずっと受け継がれ,鷗友学園女子ならではの魅力を作りだしています。
◆本物に触れる学びで人生と社会を豊かに
校訓は「慈愛・誠実・創造」。誰かと競い合うための学びではなく,自分の枠を超え,学校の枠を超え,社会や世界へと羽ばたくための「共生」の学びを実践しています。
授業は本物に触れる体験を大切にしており,実験が多い理科の授業や,園芸の授業やリトミック(音楽に合わせて身体を動かすことで,自由な身体表現の基礎を作る),原語で歌う音楽など,知識としての理解ではなく,体感して“身につける”学びに特色があります。
その学びを支えるのは,本校オリジナルのテキスト。学校説明会などで公開されているので,ぜひご覧になってください。
学校生活の特徴としては,中1では3日に1回席替えがあります。密接な関係を築きやすい10代。本校では密接な関係も大切なことを認めつつも,社会にはいろいろなタイプの人がいることを知り,意見が異なる人ともコミュニケーションできる力を育てることを重視。意見の違いが,人格やその人そのものの否定ではないことを,日常のなかで身につけていきます。
◆受験生に求める力と,勉強で心がけるとよいこと
鷗友学園女子の入試問題は,記述式の解答が多いことが特色です。自ら学び,生涯学び続ける女性に育てたいという理念から,入試では,次のような力があることが求められます。
①基本的な知識を使う力
②情報を整理する力
③考えたことを表現する力
解答では,以下のようなことが重視されます。
①リード文,問題文を,きちんと読み,理解できること。
②リード文や問題文で示された条件を,過不足なく満たすように解答ができること。
受験生は,思い込みで読み飛ばしてしまったり,問題文に書かれていない条件を想像で入れたりしないように心がけることが大切です。また,解答を丁寧に,読みやすく書くことも求められます。
出題者からの意図を正しく受け取り,自分が考えたことを正しく・わかりやすく伝えること,つまり,出題者と対話するように,入試問題に取り組む姿勢が大切なのです。
入試報告会では,次の点を心がけて勉強に取り組むとよいとアドバイスしています。
①問題文を丁寧に読む習慣をつける。
②解答を丁寧に書く。
③問題を解く際には,定規を使って作図やグラフを描く,条件や関係性を図式化してみる。
④記述の解答は,声に出して読んで,おかしなところがないか確認する。
本校志望の皆さんだけでなく,受験生皆さんが心がけたいことですね。