2024年度新規開校予定の開智所沢中等教育学校(仮称,以下開智所沢)の説明会に参加しました。開校理念と,学校法人開智学園が設置する他の中学・高等学校との共通点と違いをレポートします。
開智学園とは
学校法人開智学園は「世界の人々や文化を理解・尊敬し,平和で豊かな社会を創るために貢献できる人材の育成」を教育理念に掲げ,小学校から大学,専門学校を設置しています。中学校・高等学校では,日本型教育の体系的カリキュラムをベースに開智学園が培ってきた探究型の学びと,国際バカロレア教育や,理念を同じくする教育理論を導入した教育を展開しています。
開智学園の中学・高等学校(開校順)
学校名 | 所在地 | 特色 |
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開智中学・高等学校(学園内通称〈岩槻〉) | 埼玉県岩槻市 | DP候補校。中3より開智小学校(総合部)からの進学生との合流クラスとなる。高校の外部募集はあるが,高入生とは3年間別クラスで〈中高一貫部〉のカリキュラム。 |
開智未来中学・高等学校 | 埼玉県加須市 | 「学びのサプリ」に基づく教育を実施。高校の外部募集あり。 |
開智日本橋中学・高等学校 | 東京都中央区 | MYP・DP認定校。高校は外部募集なし。 |
開智望中等教育学校 | 茨城県つくばみらい市 | 中等教育学校からの募集もあるが,開智望小学校(PYP認定校)との小中高一貫教育を原則とする。MYP認定校,DP候補校。小学校はPYP認定校。 |
開智所沢中等教育学校(仮称) | 埼玉県所沢市 | 同時開校予定の小学校とともに,PYP,MYP,DPを導入予定。小・中等教育学校ともに外部募集がある。 |
開智学園の探究型×IBの学びを少人数で実施
ChatGTPなど生成AIの出現は,世界に大きな衝撃をもたらしましたが,それと同時に,AIやロボットと共に生きる未来社会のあり方が明確にもなってきました。
それらの社会状況を踏まえ,学校法人開智学園理事長・青木徹氏は,これからの社会で必要となる人材は,AIやロボットを使いこなすこと,AIやロボットが不得意なことができることが大切だとおっしゃいます。意見の異なる人々の考えを調整し合意をつくる,決断するなどは,人間だからこそできることです。
それらの力を育むため,開智所沢では,開智学園が培ってきた学びと国際バカロレア教育(IB)とを組み合わせた学びが,1クラス30名予定という少人数で展開されます。
学習者主体の探究型の学びで物事の本質を見極める力を
導入が予定されている国際バカロレア教育とは,国際バカロレア機構が運営する教育プログラムです。学びの中心に「学習者」を据え,探究的手法で,世界中が共感できる平和な社会を構築していく上で欠かせない,物事の本質を見極める「概念」に踏み込む学びに特徴があります。また,国際標準の教育プログラムとして,DPを修了し資格試験に合格することで国際的に認められる大学入学資格が取得でき,海外大学への進学が可能になります。
開智所沢では,4年次までは日本の学習指導要領にMYPを加味したプログラムを実施,5・6年次はDPを行うクラスと,日本の学習指導要領に準拠しIBの学びを取り入れたプログラムで学ぶクラスを予定しています。
ICTを活用した探究学習,1年次から5年次まで毎年実施される探究型フィールドワークなど,開智学園の探究型学習は,国際バカロレア教育の理論で強化されたプログラムにより,生徒の思考力・表現力・創造力を伸ばします。
また,日本型教育は,基礎的な学力を体系的に身につけられるのがメリット。開智所沢でも,これらの知識を反復して学ぶことでしっかりと身につけます。日本型教育と国際バカロレア教育がサポートする探究型学びで,平和で豊かな未来社会をつくる人材へと育てます。
新校舎建設中 東所沢駅から徒歩12分
開智所沢の開校予定地は,埼玉県所沢市。JR武蔵野線東所沢駅から,駅前通りを徒歩で約12分の立地です。現在のところスクールバスを運行する予定はないとのことですが,路線バスでの通学が可能です。現在,開校に向けて校舎建設中。校舎建設の様子は,本校Webサイトでも随時公開中です。
なお,昼食は,1・2年次は給食,中3からは食堂を利用できるようにする予定とのことです。
2024年度入試は240名募集 詳細は秋に公表予定
開智所沢は,1学年30名,8クラスを予定しています。2024年度入学生は該当しませんが,併設小学校からの進学者とは別枠です。
入試についてまだ検討中で,詳細は9月からの説明会にて公開予定とのことです。例年,開智学園では学園設置校の併願受験を実施しており,開智所沢も含め,2024年度入試ではさらに併願受験をしやすくします,とのこと。
開智所沢中等教育学校(仮称)のWebサイトにて,最新情報をチェックしてください。