11月5日㈯に、八王子学園都市センターイベントホールにて開催された、第2回八王子市私学プレゼンテーションコンクール。このコンクールの開催目的は、「生徒一人ひとりがどのくらい頑張って、どのくらい成長したか、その素晴らしさを見せる、発表する、見てもらう」ことにあると、実行委員会の会長 小岩利夫先生(明治大学付属中野八王子中学高等学校 元教頭)は話していました。
出場校9校のうち、ここでは発表順に3名について紹介します。
今がんばっている「グラススキー」について (八王子実践 久保夏海さん)
八王子のグラススキーチームに所属する久保さん。元々、別のスポーツのトレーニングのために始めたそうですが、今では熱心に取り組んでいます。このスポーツがどういうものなのか、動画を交えた説明はまさに「百聞は一見に如かず」でした。
【プレゼンテーションの流れ】
グラススキーの歴史
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自分がグラススキーを始めたきっかけ
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八王子にあるチームのコーチや主要な選手
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実際の大会動画
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種目別の概要、技量の違い、大会の参加状況など
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今後の目標
動画の取り入れ方がとても効果的で、審査員の講評にも、「どういう会場で行われるのか、疑問を持っていましたが、映像を見てすぐにわかりました」という言葉がありました。久保さんは「動画を回しながら説明する練習がとても難しかったのですが、少しでも動画を見ながらわかってほしいなと思って練習しました」「相手に伝わっていたんだなという感じで良かったです」とコメント。努力を重ねたことが評価され、手ごたえを感じたようです。
たくさんの方にグラススキーを知ってもらい、この八王子から日本のグラススキー界を盛り上げていきたいです。応援よろしくお願いします。
🎤発表者にインタビュー!
Q.:発表が終わっての感想は?
A.:練習より緊張してゆっくりになったり、噛んじゃったりしたんですけど、それでも楽しかったです。
Q.:グラススキーをこれから、どのように広めたいと思いますか?
A.:日本での大会がいろんな所で開催されるように。日本でも一時期はもっと活気があったらしいんですけど、その時みたいにもっと活気のある大会にできるようにしたいです。
Q.:今日のプレゼンテーションの仕方は学校でも活かせそうですか?
A.:活かせると思います。見ている人達に目線を向けるところとか、動画を交えるところとか、工夫できるかなと思いました。
【素晴らしpoint】
プレゼンテーションの最後に、競技者としての個人的な目標だけでなく、グラススキー界が発展することを願い、自らがそれを担う姿勢を見せていました。視野の広さと志の高さに関心。
八王子 パッションフルーツを広めよう (東京純心女子 中村柚葉さん)
南国のフルーツであるパッションフルーツが八王子でも生産されているなんて、皆さん、知っていましたか? 中村さんのプレゼンテーションを視聴したら、パッションフルーツの魅力を感じ、食べてみたくなりますよ。
私の提案は「八王子パッションフルーツを多くの人に知ってもらう、食べてもらうために、小中学生にポップを作ってもらいたい」ということ。
【プレゼンテーションの流れ】
私の提案(プレゼンテーションの目的)
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八王子市の農産物、八王子パッションフルーツ生産の経緯・現状
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八王子パッションフルーツの特産品としての課題
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パッションフルーツの優れた特徴
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生産者への取材、加工品
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販売場所での課題、改善の提案
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パッションフルーツのアピール
「果物を食べる人が減っている」という現状やその理由をデータを交えて説明したり、パッションフルーツといくつかの果物の栄養素を数値で比較したり、パッションフルーツを買いに行き、食べて味を確かめたり、具体的な裏付けを多数提示。審査員からは、発表態度と共に、「馴染みのないこのフルーツの良い点を3つ挙げていましたね。これも良かった」と褒められていました。
工夫したのは「スライドをギュウギュウ詰めにしないこと」。見やすさを重視したスライドは簡潔でしたし、口調も明朗で、とてもわかりやすいプレゼンテーションでした。
🎤発表者にインタビュー!
Q.:一番大変だったことは?
A.:やっぱり情報収集の時ですかね。インターネットを探してもなかなか出てこない時がありました。
Q.:講評を聞いて感想は?
A.:パッションフルーツを広めるのがテーマだったので、知っていただいて、実際に興味を持ってもらえたのが良かったなと思いました。
Q.:どのような経緯で、生産農家の方に話を聞けたのですか?
A.:私の祖父がその農家さんと知り合いだったらしく、道の駅にパッションフルーツを買いに行った時に、「丁度その人が来ているからインタビューしてみたら」という感じでした。
【素晴らしpoint】
データや体験に基づく発表は説得力アリ! 大事なポイントは溌剌と、マイナス要素は残念そうに話すなど、気持ちが声のトーンに表れていて、情報だけでなく、感情もよく伝わってきました。
計算機の仕組みについて (帝京大学 小島蒼也さん)
ほとんどの生徒が「八王子の事」というテーマで臨む中、小島さんは自由テーマを選択。長く使っていたパソコンが壊れたことをきっかけに調べ始めた「計算機(計算回路)」のしくみを説明してくれました。
【プレゼンテーションの流れ】
この研究に取り組んだきっかけ
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計算機が計算するしくみを解明
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図示したり、道具を使ったりして、実際に自分で回路を作ってみる
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簡単な計算から難易度を上げていき、プログラミングでも検証
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計算するしくみのまとめ、次の目標
理科の自由研究として、6月の終わりごろからスタート。うまくいかないこともありましたが、調整を何度も試みて、まとめたそうです。学校では3分で発表しなくてはいけないところ、25分かかってしまい、このプレコンでは規定の6分に収まるよう、よく頑張りました。
審査員は「あんなに細かな回路を自ら手作りでやってみるというのは、さすが」と感心。また、「続けて研究していくことによって、もしかしたら“小島回路”というものができるかもしれない」と大きな期待も寄せていました。専門性の高い内容でした。
今度は、電子機器がどのように命令を処理するのかを調べてみたいと思った。
🎤発表者にインタビュー!
Q.:パソコンに興味があるのですね?
A.:はい。プログラミングとかが好きで、5年生ぐらいからやっているんですよね。
Q.:教えてもらう先生はいるのですか?
A.:いや、いないです。インターネットで調べたりして、独学でやっています。
Q.:この研究で楽しかったことは?
A.:やっぱり作っている部分ですね。4時間くらいかかったんですよね。回路が出来上がるのはすぐだったんですけど、そこからうまくいっていなかった。数の調整にすごい苦労しましたが、試行錯誤して最後はうまく出来ました。
【素晴らしpoint】
机上の研究だけでなく、実際にモノを使って組み立て、手先と頭の両方を動かして考えたところに注目です。独学でこのように専門的な知識を身につけ、自分の興味を追求し、今後も続けていく姿勢に拍手!
●当日の映像が八王子市私学プレコン実行委員会のWebサイトで配信されています。https://haishin.work/hachioji-shigaku