帝京大学中学校の教育関係者対象の学校説明会がオンラインで開催され,参加しました。アットホームな雰囲気で築かれる信頼関係を土台に,面倒見のよい指導で生徒を伸ばす学校です。
◆先生と生徒の距離が近いのが最大の魅力
帝京大学中学校(東京都八王子市)は,丘の上に立地し,自然豊かな環境です。1クラス30名・1学年4クラス編成の少人数制で,生徒と先生との距離が近いことが魅力です。担任の先生のみならず,学年の先生が生徒一人ひとりの顔と名前を一致させています。
そのため,入試広報部主任の竹之内毅先生が「職員室が学びの場」と言うように,生徒は質問しようと頻繁に職員室を訪れます。その生徒の授業担当の先生がいなくても,同じ教科の先生がいれば,質問に応じてくれます。生徒の「わからない」を放置しない面倒見のよい学校なのです。
また,職員室の前にはホワイトボードがあり,“プチ授業”が始まることもしばしば。教え合い,学び合う気風が根付いており,ホワイトボードは生徒同士の学びでも大いに活用されています。今回の説明会でこの様子を写真で見せていただきましたが,職員室前の廊下は大渋滞! 生徒の学びたい気持ちと,先生の生徒に応えたいという気持ちが伝わってきました。
◆10代に身につけたい力をしっかりと培う
社会に出てから,あるいは一生涯の基盤となる,確かな学力・知力を身につける学校——帝京大学中学校・高等学校に対して抱いていたこういった印象が,今回の説明会でお話を伺ってますます強くなりました。
帝京大学の建学の精神「努力をすべての基とし,偏見を排し,幅広い知識を身につけ,国際的視野に立って判断ができ,実学を通して創造力および人間味豊かな専門性のある人材の育成を目的とする」を受継ぐ“附属校”でありながら,生徒が希望する進路へ羽ばたくのを後押しする“進学校”でもあります。
スピードが求められる現代において,「努力」の価値が見えづらくなっているかもしれませんが,毎日の小さな積み重ねが人の成長につながるもの。10代のときに身につけた「地道に努力し続ける」という習慣は,その後年齢を経るごとに威力を発揮するのではないでしょうか。予測困難といわれる未来において,未知なる状況に出遭っても,コツコツと取り組むことで乗り越えられるとしたら,それもまた「生きる力」といえるでしょう。
◆学年ごとに内容が異なる校外学習
ここ2~3年はコロナ禍で,海外研修はもちろん,体験学習も控えなくてはなりませんでしたが,本来は体験学習や学校行事も盛んです。
4月末から5月頭にある校外学習は,入学した年度・学年ごとに内容が異なり,コロナ禍前では次のような行事がありました。
中1 | 中2 | 中3 | |
2016年度入学生 | タケノコ収穫体験 | 浅草・お台場散策 | 大磯海岸地引網体験 |
2017年度入学生 | ブラインドサッカー体験 | フジテレビ番組製作体験 | 鎌倉散策 |
2018年度入学生 | 車いすバスケットボール体験 | フジテレビ番組製作体験 | (コロナ禍で中止☹) |
地引網体験といった滅多に体験できないことやダイバーシティ体験など,多様性にも配慮した内容です。校外学習には,学年担当となる教員のアイディアが生かされているとのこと。それでこのようにバラエティ豊かなのですね。
体育祭は3学年縦割りのチーム編成。ほぼ全員が部活動に参加していることもあって,ごく自然に学年の垣根を超え,結束して競います。生徒同士の結びつきが強いのも,この学校の特徴です。
部活動は,生徒の自主性をいかし,掛け持ち多く交流が盛ん。「南米音楽部」「中国拳法部」などユニークな部活もあり,自由にのびのびと活動しています。
◆2023年度入試は前年度と変更なし
帝京大学中学校の2023年度入試は,前年度と変更の予定はないそうです。受験生は,過去問を解いて,入試の感覚をつかんでおくとよいでしょう。
第2回は特待選抜入試で,上位15名が特待生として認定されます。特待生は入学金と設備充実費および6年間の授業料と維持費が免除となります(1年ごとに審査あり)。第1回の4科受験者から特待生認定されることもあります。
■2023年度入試日程(予定)
第1回 | 第2回 | 第3回 | |
試験日 | 2/1 | 2/2 | 2/3午後 |
募集定員 | 40名 | 40名 | 30名 |
科目 | 2科or4科 | 4科 | 2科 |
① 7月16日(土)10:00~11:30
② 7月16日(土)14:00~15:30
③ 7月17日(日)14:00~
④ 7月17日(日)15:30~16:30
①②は同一の内容,③は前日の説明会動画放映,④は広報部による質問会
その他の説明会日程は,こちらからご確認ください。
帝京大学中学校の教育内容は,『中学受験案内2023年度用』巻頭特集「私学のユニバーサル教育」(14ページ)もご参照ください。